「・・・・・・・・・・・・・アスラン・・・?」


記憶を取り戻したい。

思い出したくない。

知られるのが怖い。

知るのが怖い。


「・・・どうしたの・・・?」



















第16話 君は誰?僕は誰?


























「ねぇ、お父様。もう全てバラしてしまってはどうですの?」

「それは駄目だ。此方も危うくなるぞ」

「……!いいじゃないですか。記憶なんて元に戻るものではないですし」


ラクスはちょっとにらんだような顔をした。



 コンコンッ



「どうぞ」


誰かが扉を開けた。

ココは真っ暗な部屋で何があるのかは知らないが…。


「…お呼びしましたか。クライン隊長」

「あら。ジュール。遅くて待ちくたびれましたわ」


ラクスはちらっとイザーク・ジュールをいう男を見た。


「申し訳有りません。何分人手不足なのであちこちにいっておりまして…」

「そ。まぁ、いいですわ。貴方に命じたいことがありますの」

「何をするつもりだラクス!」


シーゲルはラクスを怒鳴った。


「お父様に言いたいことがありますの」

「なんだ?ラクス」

「――――”弱き者は死ね”でしょう?だったら殺すべきですわ」

「………ほぉ。ヒダカを殺すのか」


ラクスは小さく頷いた。


「それ以外に何かありますの?ヒダカの情報を手に入れるのに………!」

「アスランはとても利口だ。…きっと記憶が戻っていてもそれを悟られないようにするだろう」



”弱き者は殺せ 人も動物も関係ない”



それが、クライン率いる組織”弱肉強食”。

それに反対する、一人の少年がいた。



”人を殺すなんて考えないことだ”



そう彼はいった。


『弱いから死ぬ。強ければ死にませんわ…!』


彼女はじっと…少年を見つめた。


『じゃあ、貴方は?貴方は一人で生き残ることは出来ますか?
 お金が無くても、家がなくても、生き残ることは出来ますか?』

『お金が無いから弱いのではなくて…?』


少年は首を横にふった。


『お金や家…何も無くても…貴方は生き残ることは出来ますか?』

『出来ないに決まっていますわ』

『だったら貴方は弱者です。死ぬ権利がある』


少年はサラリと言った。


『………なん、ですってぇ……?』

『こんなこと、貴方は言われたら嫌でしょう?それと同じです』


少年は強かった。


『………覚えておきなさい……貴方がそういったこと…公開させますから…!!!』


彼は自分の言葉で自分を窮地に追い込ませたのかもしれない。

ラクスは負けたことにより復讐感が強まった。


『…許しませんわ…絶対!』


そして・・・・・一体何を意味するのか。

最初の二人の対立が全てを物語る。


この結末は?










ATOGAKI+++++++++++++
まぁ、少ないですが。
結構このお話は好きです。
悪役出せたかなって(笑)